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ブリザード、ブレイジングブリザード、ディアブロブランコ、スノーディアブロブランコ、ホワイトナイト・・・全部白くてきれいなモルフだけど、何が違うの?という部分についてこれから飼おうと思う方、勉強をしている方向けにご説明します。

現在レオパにはトレンパー、ベル、レインウォーターの3つのアルビノが存在しています。それらに対しエクリプスと、図表では表していませんがパターンレスストライプ、トレンパーオレンジが要素として加わるとそれぞれラプター、レーダー、タイフーンというコンボモルフとして販売されています。

※パターンレスストライプは、マーフィーパターンレスとは異なるものです。

なお2021年初頭現在ではラプター、レーダー、タイフーンについてはアルビノ+各エクリプスの遺伝子を持っているものとして商業的には流通しており、パターンレスストライプ、トレンパーオレンジについてはあまり表現としても重要視されていない事実はあります。

当記事内でも説明のためにアルビノ+エクリプスで各複合モルフが構成されるものとして取り扱います。

上記を踏まえ、下記の早見表をご覧ください。

行はいわゆるモルフ名、列はそれらを構成する遺伝要素になります。

ブリザード系複合コンボモルフ表

各アルビノにブリザード、スノー、スーパースノーが追加され、アルビノ以外同じ構成要素となっているモルフが存在します。

トレンパーアルビノ/ベルアルビノ/レインウォーターアルビノ

↓エクリプス(とパターンレスストライプ、トレンパーオレンジ)を追加して

ラプター/レーダー/タイフーン

↓ブリザードを追加して

ディアブロブランコ/ホワイトナイト/タイフーンブリザード

↓スノーを追加して

スノーディアブロブランコ/スノーホワイトナイト/スノータイフーンブリザード
スノーディアブロブランコ/スノーホワイトナイト/スノータイフーンブリザード

↓スノーがスーパー体で入ったら

スーパースノーディアブロブランコ/スーパースノーホワイトナイト/スーパースノータイフーンブリザード

となっていきます。

面白いのはトレンパー系にはディアブロブランコ、ベル系にはホワイトナイト、という別名がついているのにレインウォーターだけタイフーンブリザード、と遺伝名がそのまま表記されています。

今回はブリザード系に着目してみましょう。アルビノ3種でほぼ同じ表現になるため、例としてディアブロで説明いたします。

ラプター+ブリザード でディアブロブランコと言われるモルフになります。いわゆる「白いレオパ」になってきますが、スノーを入れることによりディアブロブランコはさらに白さが増します。そしてスノーはスーパー体が存在し、スーパースノーが入るとさらに白くなります。

つまり、白さでいえば

スーパースノーディアブロ>スノーディアブロ>ディアブロ

となるわけです。

 

ディアブロ等においてはクオリティが高い、というのは
「白いこと(灰色にくすんでいないこと)」
「黄色が少ないこと」
があげられます。

上記の指標において、スノー、スーパースノーが入ることによりクオリティが高い個体が出やすい傾向があります。仮にクオリティを10点満点で考えた場合、以下のようなイメージになると考えられます。

ディアブロ:1~7点選手が多い
スノーディアブロ:3~9点選手が多い
スーパースノーディアブロ:7~10点選手が多い

れおぱっちがいろいろな個体を見てきた限り、概ね上記のような分布になると考えています。あくまで分布なのでスノーなしのディアブロでもスーパースノーに肉薄する個体もいれば、スノーが入っていてもディアブロよりここでいう白さが低い、という意味でのクオリティの低い個体がいるのも事実です。

しかしながら、全体としてはおおむね上記のような割合になり、またこのクオリティが価格にも反映されてきます。とはいいつつも、近年はディアブロもスノーディアブロもクオリティが上がっており、あまりにひどいレベルの個体は見かけなくなってきました。

では、実際に当方が飼育している3個体についてご紹介、点数付けしてみましょう。

① スノーディアブロ♂ (ベビーヤング) 8.5点
ほんのわずかに背中に薄黄色が発生。グレーのくすみは見られない良個体

 

② スノーディアブロ♀(アダルト) 8.5点
アダルトで黄色が出ていない個体。スノーとしてはほぼ最良。

 

③ スーパースノーディアブロ♀(アダルト) 9点

黄色やくすみがほとんど出ていない、お手本のようなスーパースノーディアブロ。

②と③、違いが判りますでしょうか。

②のスノーディアブロのクオリティがとても高く、③のスーパースノーディアブロと比べてもぱっと見差が分からないレベルです。よく見るとスーパースノーの白さが強いのが分かるのですが、単体で見たら判断がつけづらいです。①のベビーヤング個体も、おそらく②に近い成長をすると思われます。

こういった個体同士のペアリングをすると、子もクオリティの高い子たちが生まれる可能性があります。ブリーダーとしては上記のスノー、スーパースノーを含んだディアブロ等を作出するために、下記のようなペアリングをすることが多々あります。(雌雄は逆の場合もあり)

パターン1.ディアブロ x スノーディアブロ

パターン2.スノーディアブロ x スノーディアブロ

パターン3.スノーディアブロ x スーパースノーディアブロ

パターン1の場合
ディアブロブランコ 50%
スノーディアブロブランコ 50%

パターン2の場合
ディアブロブランコ 25%
スノーディアブロブランコ 50%
スーパースノーディアブロブランコ 25%

パターン3の場合
スノーディアブロブランコ 50%
スーパースノーディアブロブランコ 50%

とパターン2,3のペアリングだと高い確率でスノー、スーパースノーが入った、いわゆる前述で述べたクオリティの高いディアブロブランコを作出することができます。

レオパを飼育していて繁殖・遺伝を勉強している方は

スーパースノーディアブロ x スーパースノーディアブロ

にすれば100%スーパースノーディアブロが出るんじゃないの? とお気づきになるかもしれません。確かに計算上はその通りです。

ですが、スーパー体とスーパー体は孵化率が悪いことが多く、避けるブリーダーが多いようです。交配については致死遺伝や先天的な疾患などにより避けるべき交配というのが存在します。詳細は割愛しますが、有名なところではエニグマxエニグマ、WYxWYなどがあります。

ちょっと話がそれましたが、ブリザードはとても魅力的なモルフです。ブリザード単体では灰色のくすみも出やすいものですが、ほかのモルフとコンボすることによりさらに素晴らしいモルフに昇華します。

販売時の表記について、上記交配から作出されることが多いディアブロ等について、下記のような表記を見かけることが比較的多く見受けられます。

スノーディアブロブランコ possスーパースノー

poss とは possibility:可能性のことです。レオパの表記ではよくつかわれるものですが詳細はまた別途。ではどういった意味なのかというと「スノーディアブロだけど、もしかしたらスーパースノーディアブロかも」といった場合につけられます。

白いモルフに関しては非常に見分けが難しいです。

これはブリーダーの力量(判定力)不足とか、怪しいもの、というわけではありません。本当に見分けがつきづらいケースが多々あるためです。上述のパターン3のように、50%50%でスノーとスーパースノーが生まれてくる場合、特に親のクオリティが高い場合はスノーでもクオリティが高くなるため、ハッチ時、成長過程、アダルト時、どの場合を見ても判断が非常に難しい場合があります。その場合に上記のような表記をすることがあります。

なので、上記のような表記をする販売方法については致し方ないともいえるでしょう。

ただし、逆はあまり見かけません。

スーパースノーディアブロ possスノー

このような表記は間違いではないですが合理的な理由がないですし、あまり一般的なものではないです。単純な書き間違えの可能性もありますが、気を付けたほうがいいですね。

また、信じがたいごとですがブリザードやブレイジングブリザードをディアブロとして売っている業者を見かけたこともあります。価格帯はブリザードでしたが表記はディアブロ。目を見れば一発でわかるものでしたが、そういったところもありますので表記が不明瞭、明らかに安すぎるなど、不安に思う場合は購入を控えたほうがよいでしょう。

他には書籍やWeb上の情報についても誤っているものや誤解を誘発する記述が散見されます。例えばラプターxブリザードの交配を行っても、ディアブロブランコは出てきません。あくまで構成要素としてラプターとブリザードの遺伝子が必要であることを示しています。一部の書籍では上述の内容が分かりづらかったり、Web上では交配表と称し、系統図のようなものであたかもラプターとブリザードを交配すればディアブロが出るかのような表記がなされている場合がありますが、それは間違いです。

総括

ディアブロ、ホワイトナイト等のコンボモルフを購入するときは
 ・表記や価格に不安がある、不審な点があるものには手を出さない
 ・モルフ名と価格、クオリティのバランスが取れているものを選ぶ
 ・コンボ名を自身が正しく理解しておく
 ・きちんとモルフを理解しているブリーダーやショップから購入する

ことが肝要です。

ディアブロやホワイトナイトなどを購入するときの参考にしていただければと思います。