# 当サイト内の文章や画像の著作権は明記された引用部分を除き、れおぱっちに属します。キュレーションサイト、まとめサイト等への転用、無断転載等については固くお断りいたします。発見しだい適宜対応いたします。
# 当コラムについては一般の飼育者、特に初心者やこれから飼育を始めようとしている人を対象に記載しています
# 情報については適宜アップデートいたします。

# 当コラムは2021年05月、横浜市戸塚区で発生した「特定動物:アミメニシキヘビ逸走事件」をもとに特定動物に関する法律的な観点や飼育者が遵守すべきことについて、様々な誤情報や勘違い等がネット、もしくは報道の中で流れている実態があります。その中には全ての爬虫類やヘビの飼育を禁止すべきだ、という投稿もなされ、ひいては爬虫類飼育者は異常者だ、という爬虫類、特にヘビ飼育者に対し不必要に差別・偏見が発生していることを憂慮し記述しました。

# 愛玩動物飼養管理士、及び動物取扱責任者、動物取扱業を営むものとして環境省のサイトや法令等を確認し、正しい情報を発信することを目的としており、特定の人物(具体的には逸走させた人)や特定の団体を非難・攻撃する意図は含まれていません。
# 誤記等がないよう、細心の注意を払っておりますが、お気づきの点がありましたらご連絡ください。
# 動物愛護管理法においては解釈や実運用について管轄の県や市により異なる場合が多くあります。予めご了承ください。


2021/05/23 投稿
2021/09/11 更新

2021年05月に横浜市戸塚区で発生した「アミメニシキヘビ」の逸走事件が大きな波紋を呼びました。iZoo園長であり日本爬虫類両生類協会 理事長の白輪さんのおかげで被害者が出ること無く、生体も無事確保できたことに市民としても安堵しております。

 

ニュース等でも何度か耳にした「特定動物」とはなんぞや、特定外来生物とは違うの?ニシキヘビは全部特定動物なの?そんなの飼っていいの?何が問題だったの?という点について法律の観点とまことしやかに流れている誤情報について解説したいと思います。

まず、特定動物とは、その飼養要件は?というところで環境省HPより引用してみます。(URLにdanger、ってありますね・・・。)
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/1_law/danger.html

「特定動物(危険な動物)の飼養又は保管の許可について」
 人に危害を加えるおそれのある危険な動物とその交雑種(特定動物)は令和2年6月1日から愛玩目的等で飼養することが禁止されました。動物園や試験研究施設などの特定目的で特定動物を飼う場合には、動物の種類や飼養施設ごとに都道府県知事又は政令指定都市の長の許可が必要です。また、飼養施設の構造や飼養・保管の方法についての基準を守らなくてはなりません。手続等については、管轄の都道府県又は政令指定都市の動物愛護管理行政担当部局にお問い合わせください。

 

特定動物=危険な動物なの?
はい、その認識で概ね問題ありません。危険というのも大雑把ではありますが、「人命や身体、もしくは財産に大きな影響を与える可能性がある」という認識で良いでしょう。当然チワワや三毛猫だって噛んだり引っ掻いたりしたりすれば怪我はしますが、そういったものではなく人に大きな怪我を与え死に至る可能性がある危険な動物、それが特定動物です。よく間違われますが国産、海外産の区別はありません。従来から日本にいるクマやマムシなども特定動物です。

特定外来生物、外来種と呼ばれるものとはちがうの?
特定動物と特定外来生物(外来種)とは全く異なるものです。特定外来生物と言われているものは「危険な動物」という定義ではなく「人の手によって『他の地域から』入ってきた生物」のことを指します。もちろんこの中には危険な動物(ヒアリやカミツキガメ)なども含まれます。

特定動物は動物管理愛護法で哺乳類、鳥類、爬虫類を対象に定められていますが、特定外来生物は「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」により哺乳類、鳥類、爬虫類の他に両生類、魚類、昆虫類、甲殻類、クモ・サソリ類、軟体動物等、植物も含まれており、そもそも管轄する法律が違うのです。

環境省HPより
http://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/invasive.html

 

外来生物法の目的

  • この法律の目的は、特定外来生物による生態系、人の生命・身体、農林水産業への被害を防止し、生物の多様性の確保、人の生命・身体の保護、農林水産業の健全な発展に寄与することを通じて、国民生活の安定向上に資することです。
  • そのために、問題を引き起こす海外起源の外来生物を特定外来生物として指定し、その飼養、栽培、保管、運搬、輸入といった取扱いを規制し、特定外来生物の防除等を行うこととしています。

 

他、国内由来の外来生物、という考えもありますがここでは環境省に記載されている事例のみの紹介で、詳細は割愛します。

“外来種”という言葉を見ると、海外から日本に持ち込まれた生物(国外由来の外来種)のことを表すと思われがちです。しかし、“在来種(本来の分布域に生息・生育する生物)”でも、たとえばカブトムシのように、本来は本州以南にしか生息していない生物が北海道に入ってきた、というように日本国内のある地域から、もともといなかった地域に持ち込まれた場合には、“外来種”となり、もとからその地域にいる生物に影響を与える場合があります。このような”外来種”のことを「国内由来の外来種」と呼んでいます。

 

特定動物(危険な動物)はどれ?
これも法律で明記されています。
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/1_law/sp-list.html

目、科、属などで表記されているのでピンとこない部分があるかもしれませんがわかりやすいところではゴリラ、チンパンジー、オランウータンですね。クマやチーター、ぞう、サイ、キリンなども対象です。マムシなども含まれています。なんとなく一般の人が飼ったら危険なのはわかりますね。

爬虫類(爬虫網)を見てみると、その中にトカゲ目ーニシキヘビ科があります。

にしきへび科 モレリア・アメティスティヌス(アメジストニシキヘビ)
モレリア・キングホルニ(オーストラリアヤブニシキヘビ)
ピュトン・モルルス(インドニシキヘビ)
ピュトン・レティクラトゥス(アミメニシキヘビ)
ピュトン・セバエ(アフリカニシキヘビ)


逸走事件で対象となったのは上記のアミメニシキヘビです。この蛇は大型化し、サイズ次第では成人男性すら絞め殺す力を持つ蛇であるために特定動物として扱われています。逸走事件の個体は体長3.5m、十数キロの個体、ということでした。実際の個体を映像で見ましたが、おそらく子供(小学生)ぐらいであれば巻き付かれて圧死する可能性があると想定できます。成人男性でも首や巻き付かれ方次第では死に至る事故になりえるでしょう。実際に平成24年4月に茨城県内のペットショップに追いて、成人の従業員が咬傷(と巻きつけによる圧迫)による失血による死亡事故が発生しています。(こちらは6~7mほどの個体でしたが)

ここできちんと理解すべきことは、ニシキヘビ全種が特定動物(危険な動物)ではないという点です。報道等では略してニシキヘビ、と記載されていることが多かったですが、ニシキヘビの中でも特定動物として指定されているのは上記5種のみです。ペットスネークとして人気の高いボールニシキヘビ(ボールパイソン)、グリーンニシキヘビ(グリーンパイソン)などは含まれません。ボールパイソンなんかは累代繁殖が行われて世界的にも人気があり、温和な個体が多く日本でも愛好家が増えてきています。

特定動物(危険な動物)は飼っていいの?
法改正により令和2年(2020年)6月1日より、いわゆるペット目的(趣味)としての特定動物の飼養はできなくなりました。ただし、それ以前に飼養許可を得ていたものについては「当該個体に限り」適切な環境、届け出を守ることで飼養を認められています。当該個体に限り、というのは法改正により特定動物の飼養は新たにできなくなりましたが、すでに飼育している個体を殺処分することを法改正の目的とはしていないため、動物愛護の観点からの救済措置です。
なので、飼養許可を得ていたとしても繁殖を行って増やしたりすることはできません。

飼養については「動物の種類や飼養施設ごとに都道府県知事又は政令指定都市の長の許可が必要」そして飼養施設の構造や飼養・保管の方法についての基準を守らなくてはなりません。環境省が記載しているとおり、飼養する種類のほか使用する場所や施設・ケージなどの環境含めての「飼養許可」になります。例えば、生体が育ったからケージを変えたい、となった場合は事前に変更を届け出て許可を得る必要があり、これを逸脱した場合は許可の取り消しや罰則があります。

守るべき基準

守るべき基準の概要は以下の通りです。
1.飼養施設の構造や規模に関する事項

  • 一定の基準を満たした「おり型施設」などで飼養保管する
  • 逸走を防止できる構造及び強度を確保する

2.飼養施設の管理方法に関する事項

  • 定期的な施設の点検を実施する
  • 第三者の接触を防止する措置をとる
  • 特定動物を飼養している旨の標識を掲示する

3.動物の管理方法に関する事項

  • 施設外飼養の禁止
  • マイクロチップ等による個体識別措置をとる(鳥類は脚環による識別も可能)

アミメニシキヘビ逸走事件については、逸走を防止できる構造及び強度になっていなかった、及び注意義務を怠っていたことが原因とされています。(&部屋の窓に鍵をかけずに網戸にして外出していた)

2021/06/22追記
当該飼育者は当コラムで指摘したとおり、2021/06/10に動物愛護法違反(変更の許可等)違反の疑いで書類送検されました。
戸塚署発表によると、『昨年9月26日頃から横浜市の許可を得ずにケージを変更した疑いがあり、元飼い主はヘビの成長に伴って大きいケージに移し替えたとのこと。仕事が忙しく許可申請が面倒で、家の中なのでばれないと思ったとの供述をしている』という。

2021/09/11追記
2021/09/07 横浜区検は蛇の飼育設備を無許可で変更したとして該当の男性を動物愛護法違反の罪で略式起訴しました。
やはり後述のとおり、無許可での飼育設備の変更が問題となっております。マイクロチップについては論点とされていないか、もしくは問題のない手続きを踏んでいた可能性があります。
専門家ではないため断言は控えますが、略式起訴の場合は100万円以下の罰金刑による実刑判決になることがほとんどのようです。
罰金刑以上の刑が確定した場合はこちらも後述の通り動物取扱業の欠格要件に当てはまり、数年の間は業取得などができなくなります。
※生涯不可能、というわけでは有りません。日本の法律で「生涯○○することはできない」という罰則や法令はほとんど無いようです。

なお、顛末としては動物愛護法違反により罰金30万円の実刑判決が出たとの報道がありました。
続報もないことからおそらく元飼い主はこれを支払ったものと思われます。

 

マイクロチップの導入については特定動物においては原則実施する必要があります。ただし、生体がまだ小さい、老齢などでチップ埋め込みに耐えられないなどの理由がある際は獣医による証明と提出により免除される場合があります。また、マイクロチップはあくまで個体識別のものであり、GPS機能は有していません。GPSを体内に埋め込み1年5年10年と動かせるような動力源は備わっていないため技術的な面で実用化は程遠いです。犬猫であれば首輪等についているものもあるらしいですが、電池交換が必須であり形状からヘビへの導入は難しいかと思います。

逸走時に「黙っていればバレなかったのでは」「飼育者はきちんと通報して偉い」といったコメントがネット上で散見されました。これは違います。マイクロチップが導入されているため逸走個体が(生死問わず)発見されたときに飼育者は誰か、すぐに判明します。その場合特定動物を逸走させたときか管轄の保健所・及び警察に速やかに届け出ることが義務付けられています。

また、当該アミメニシキヘビについてはマイクロチップの有無について疑義が生じていますが、仮にマイクロチップが導入されていないとしても、当該アミメニシキヘビの個体の特定という観点では珍しいモルフ(模様)であり、飼育者がネット上に画像を公開していることもあり発見時に同定は容易であったと考えられます。黙っていたってすぐにばれる事案、ということですね。

2021/06/22追記
マイクロチップについても埋め込みがなかったことも判明しており、個体識別の措置を適切に行なっていなかった可能性があります。

賃貸で特定動物飼っていいの?
賃貸でも特定動物の飼養許可が取れる(取れた)のか?という疑問については横浜市では「可能でした」。言葉を過去形にしているのは上述の2020年6月の特定動物の愛玩目的での飼養は禁止されたためです。(以下、規制前の許可取得として記述します)

賃貸での特定動物飼養許可については様々な意見が飛び交っておりますが、まず大元となる動物愛護管理法では特定動物の飼養に関する提出書類の中には物件のオーナーや貸主、地権者の許可を必要とする記述はありません。なので法律の通りの運用であれば、地権者や貸主の許可なく特定動物の飼養許可を得ることは問題ありませんし、取得可能でした。ただし、賃貸契約等でペット不可等の記述があった場合は動物愛護管理法とは関係なく、契約違反として民事での問題は発生します。

今回は民事の話はおいておき、動物愛護管理法の枠組みでお話を続けます。地権者の許可は特定動物の飼養許可には不要ではありますが、管轄である県や市が独自に飼養許可を必要とすると定義している場合があります。独自の運用が行われている地域は少なからずあり、現地確認を行う場合もあるようです。法律通りじゃなくていいの?と疑問に思うところが多いかもしれませんが、動物愛護管理法の実運用の部分においては管轄の県や市に運用が任されています。法律に反しない限り、提出書類の追加などは適正な事務処理として行われます。

横浜市の場合は少なくとも特定動物の飼養許可をえるのに地権者の許可が必要とは明記されていません。また、現地確認を実施していたかについても不明です。ここについては折を見てどういった運用がなされていたか、横浜市の愛護センターに問い合わせをしてみようと思います。

そもそもなぜ「地権者の許可」という話題が出てきたのかというと、他の地域でそういう運用がなされていることと、「動物取扱業」を取得するときの要件と混同しているケースが有るようです。動物取扱業を取得する場合は地権者の許可が必要であり、賃貸の物件であれば地権者の承諾した旨の書類、持ち家等で自分の土地の場合は登記証明などの提出が求められます。横浜市がずさん、ということではないですが、飼養許可を出したら出しっぱなし(でもよいという法律)になっているため、今後は毎年の現地調査などが法令の中に盛り込まれる可能性は高いかもしれません。また現状法令では特定動物の飼養許可は5年毎の更新となっていますが、一部地域では3年で運用されているところもあるようです。ここも何らかの見直しが入る可能性はあると想定します。

 

特定動物に関する罰則などは?
動物愛護管理法により厳格に定められています。特定動物に関連する違法な飼育や保管については下記に記載のとおり、「6ヶ月以下の懲役、又は100万円以下の罰金」が課せられます。これは刑事事件であり、民事ではありません。

許可の取消

施設の構造や管理の方法が不適切など、守るべき基準が守られていない場合は、許可は取り消されます。

罰則

以下の行為を行った場合には、個人の場合は6ヶ月以下の懲役または100万円以下の罰金、法人の場合は5,000万円以下の罰金に処せられます。

  • 無許可で特定動物を飼養または保管する
  • 不正の手段で許可を受ける
  • 許可なく以下を変更する
    特定動物の種類及び数、飼養施設の所在地、飼養施設の構造及び規模、
    飼養又は保管の方法、飼養又は保管が困難になった場合の対処方法

法令・基準等

アミメニシキヘビの逸走の事例では赤字の「飼養施設の構造及び規模、飼養又は保管の方法」を届け出なく変更し、法令違反とされています。そしてそれがもとで逸走しているとの報道があります。当該法令に違反している犯罪として飼育者は6ヶ月以下の懲役、または100万円以下の罰金に課せられる可能性があります。こちらもあくまで刑事事件ととしての処罰になるので検察官が有罪の可能性があると判断すれば起訴されることになると思われます。(これだけ大騒ぎになっていることと、議員&業界団体が声明を出していることから法律に基づき恐らく処罰は行われるでしょう。)

また、他にも「無許可でのブリーダー行為(無登録での業行為)」について指摘されているようですが、こちらについては長くなるので別途「動物取扱業」の記事をしたためる予定で、当コラムでは割愛します。

 

飼育者はもうアミメニシキヘビ(特定動物)は飼えないの?
逸走事件のアミメニシキヘビの飼育者が、再度同個体、又は他の特定動物を飼育するのは非常に難度が高く、以下の要件から事実上不可能と想定されます。

・横浜市から許可されていたアミメニシキヘビを含めた特定動物の飼養許可はほぼ確実に取消しとなる
 →そもそも使用していた賃貸住宅はペット不可の契約違反により事件発覚後、即時退去しているため、飼養継続不可
 →転居先で特定の許可取得が必要だが、事実上不可
・特定動物の新規飼養は、2020年6月の改正で愛玩目的では不可
 →引越し先で新たに飼養許可を取得することは不可能
・どうしても飼養するのであれば、「動物取扱業」の展示などを取得する必要がある
 →当該人物は動物取扱業取得に際し今回の件が欠格要件に当てはまる可能性があり、業取得が認められない可能性が非常に高い

飼い主の意向や世論とは関係なく、現行法では飼い主への返却が不可能な状態となっております。
特に書類、手続き関連は特定動物の飼養許可は非常に複雑かつハードルが高く、すでに飼養許可を持っている動物取扱業者(動物園等含む)でなければ引き取りはできない物となっています。

今回茨城県の業者様が引き取りを実施しましたが、複数の特定動物の引取り、輸送にかかる各都道府県の許認可、横浜市や飼い主との調整等、日程やスピード感から見てもただならぬ労力があったと推察します。

 

今後、特定動物はどうなるのか
大前提として、今回のような特定動物の逸走事件は絶対に起こしてはいけない事件です。通常の犬猫、鳥や爬虫類の逸走事件とは一線を引いて考えるべき事案です。世論やネット上のコメントの中では規制の強化を求める声がすでに多く出ています。でも本当に規制の強化で今回の事案を防げたのでしょうか。今後同様の事例を起こさないと言えるのでしょうか。

ここは私の持論ですが「そもそも法や規制、ルールやマナー、エチケットを守らない人」にとっては規制を強化したり新たな規制を設けたところでルールや法律を無視して飼育します。逸走や事件事故、トラブルに発展する可能性をはらんでいると私は思います。そういう人たちに対して「爬虫類」「ヘビ」「ニシキヘビ」という大雑把な枠組みで規制をかける、雑な範囲指定での規制をかけることは特定動物に限らず、生体を正しく飼養している人にのみ不利益がかかる愚策です。

今回のような事件を今後起こさない、抑止する意味では飼育者に対する「罰則の強化とその周知」「教育と指導」が必要だと考えます。これは特定動物、爬虫類に限らず犬猫を始めとした各種のペット飼育者に対しても同様です。ノーリードでの犬の散歩、猫の屋外飼育など、正しい飼養方法とそれを逸脱したときの罰則について、啓蒙することが必要です。
よくペット販売については「売るほうが悪い」「ショップが悪い」などの意見が散見されます。しかし、ペットショップ側が販売を拒否したところで購入希望者は別のショップへ行って購入し、販売してくれなかった店舗の悪評をネット上に書き連ねるだけでしょう。

 

動物愛護関連の法律や規制強化の流れは「動物取扱業者」を対象にしたものが非常に多く、飼育者に対する規制や罰則、もしくは「無許可での業行為」を行っているものに対しての罰則規定が非常にゆるくあいまいで、適用も難しい現状があるようです。

現在、法改正前の救済措置で特定動物を飼養している方の殆どは適正に管理していると思います。ただし今回の事件を鑑みて現地監査や手続き等について改めてチェックが入ると思われます。実際に横浜市では通達が出ていることと、環境省からも発信がありました。同じようにルールを逸脱する飼育者が多数出た場合、最悪の判断(個体の回収・殺処分)を求められる声が出る可能性があると考えます。そうならないためにも今一度、特定動物の飼育者、取扱事業者は法令等の確認をし適切な管理を行い、個体のためにも良い環境で終生飼養できることを望みます。

 

また、新たに特定動物を飼う、というのは上述の通り事実上不可能になっております。特定動物は確かに力が強かったり、大きかったり、かっこよかったり、美しかったりととても魅力的な動物がとてもたくさんいます。どうしても欲しくなることもあるかもしれません。でも一歩踏みとどまってください。それらの特定動物の多くは動物園で見ることができたり、ネットやTVなどで野生本来の姿を見たりすることが出来るかもしれません。海外に行けば生で見ることも可能かもしれません。
手元で飼養したい、という気持ちはとてもわかりますがその情熱を一般的に飼養できるヘビ(ボールやコーン、アオダイショウなど)に向けてみてはいかがでしょうか。彼らもとても魅了的な姿や行動で我々を魅了してくれます。

あ、もちろんヘビに限らずレオパもですね。

爬虫類は哺乳類にないエキゾチックな魅力をたくさん持っています。(誤解のないように言いますとれおぱっちは哺乳類も大好きです。特に猫。) ルールを守り、法律を守り、そしてマナーやエチケットを守り、だれからも後ろ指を指されることのない適切な飼養が広がっていくこと、特定動物は取り扱っていませんが動物取扱事業者としてもその啓蒙は微力ながら続けたいと思います。